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【超獣とは?】

 J国で確認された獣・猛禽の類であり、要するに受肉した【式神】のことである。
 帝國に魔道の概念が存在しなかったため、通常の生物を超えた畜生として【超獣】と呼称された。またJ国のそうしたオカルト的な性質は、帝國の資質とは気色が合わない技術だったため、征服された現在でも殆ど伝来されなかった。
 通常の獣を遥かに凌ぐ身体能力を持ち、中には火炎や放電能力を持つ物も確認されたが、元来式神に通常兵器を凌ぐだけの性能はなく、命令に従順で効率のよい家畜(使い魔)としての運用法が専らである。その媒介には元となる動物の屍骸(鳥型は神霊として崇められ、よほど高位の神官しか持つことを許されなかった)を用いるため受肉しているが、本来は無色の霊体である。
 戦時中も電波を介さない伝令方法や、牛車などの運搬の補助などに用いられた程度で、戦闘に使用されたのはごく希(そのレベルの式神を操れるほどの術者自体が、当時のJ国でも希少だったため)。
 戦闘用としておよそ各所の要塞に数体ほど配備されていたが、通常兵器より多少柔軟な運用が可能という程度の能力であり、数も少なく能力自体も帝國M.A.I.D.の敵ではなかったため、特に問題視されないまま終戦となった。
 そしてJ国の「神羅魔道」の術は伝来の術者が年々減少気味であったため、信仰を促していた政権が崩壊した現在では、J区(元J国領)で細々と家畜として運用されている程度に留まっている。

式神【八咫烏】 ヤタノカラス

 鳳凰院鶯妃の乳母「阿倍野御菊」が3年かけて組み上げた神霊級の式神。
 全長10m程の巨体だが、その機動力は空戦メイドに匹敵し、突進時における瞬間速度はその平均を大きく上回る。またミサイル(火球)のような誘導兵器を持ち、半霊体という最上の式神としての防御スキルをも備える、超常の存在。しかし知性は無きに等しく、その方向性は織り込まれた術者の意図に純然である。
 少しばかりではあるが大量の人間の生命と、お菊の憎念を3年にも渡って注ぎ込まれたため、その力は他の式神を遥かに上回るが、それ故に術者に与える負荷は相当のものであり、鶯妃の乳母になる以前はJ国筆頭神官長であったお菊の霊力と技量を持ってさえも、一戦程度が限度である(それ以上は生命力を根こそぎ吸い取られ、死に至るとされる)。そうなれば、ただただ殺戮を繰り返すだけの野獣、悪霊へと成り果てる。
 そのため、戦時中にJ国がこの神霊級式神の製造に着手することはなく、奥の手として思案に入れることもなかった。

 スペック:攻撃S/防御C/機動S/持久S/頭脳C/技量E

【半霊体】 Astral Ghost

 神霊級の式神だけが達することのできる神域の領域。躯の半分を精神界におくことで、物理干渉から霊的保護を受けることができる。そのため、生半可な物理干渉は意味を成さない。
 攻撃ランクB以下の物理干渉を一切無効化し、A判定の攻撃によるダメージの七割を減少する。
 ただし、対霊属性の攻撃に対してはまったく効果を発揮しない。
【竜巻現象】 cyclone

 空戦メイドの翼による風の圧力を上昇気流として転用した応用技。
 また、地面に叩き落とされた際、この風の圧力をクッションとして利用した。
 空戦メイドならば、ある程度こうした風を操作することは可能であるが、ヤタノカラスほどの巨体を弾き飛ばすほどのハリケーン現象を引き起こせるのは、巨大な翼を持つチューリップくらいである。半霊体であったヤタノカラスにはまったくダメージはなかったが、本来なら遠心分離器染みた威力を発揮する。
 ただし普段以上の負荷がかかるのは当然であり、文字通り心身を削る大暴風である。
【七星桃剣】 シチセイトウケン

 朱鷺羽流対霊剣技の極意(といっても、これ以外に何かあるわけではないが…)。
 霊属性の相手に対して、相手の防御スキルの一切を無効化して攻撃する技だが、威力に関しては当人の力量次第である。またこの技の発動には、相手の霊的意思を駆逐する強靭な精神力が不可欠となる。

―――――要するに、気合いを入れて切るだけの技。とは鳳凰院鶯妃に剣を教えた師曰く。
 ちなみにその師は別に自分の剣に技名などつけてはいなかったし、そももそ我流であったため流派もへったくれも無かったが、折角だからと手元にあった破邪の木刀の名をつけたという。なお、異邦人であったその師はJ国に倣って朱鷺羽と当て字をしただけであるらしく、あっているのは発音のみなのだとか。
【シエナダルシュ・クリューアルファング】

 天堕ちる黒の逆十字。チューリップ最大最強の一撃必殺技。
 普段のチューリップは、自らの巨大すぎる翼を翼の力で圧縮して過ごしている。何故ならその巨大すぎる翼の存在は生命体として完全にバランスに欠けたものであり、ただ広げるだけで肉体を傷つけるためである。完全出力を発揮したものなら、確実に寿命を縮める。
 その翼を展開してのギロチンアックスによる全力突撃は、速力マッハ6に達し、放たれた風の圧力と断層はチューリップ全体を巨大な刃と化す。その威力は絶大であり、また生半可な攻撃で止めることすらできない。
 ただしあまりの加速にチューリップ自身も制御がままならず、空戦メイドの特権たる機動性も完全に失われ、使用の際には制動距離か伸びすぎた旋回距離を考慮する必要がある。
 また地上の敵に対しては、地面に激突するという危険性が伴うため空対空が専らとなる。一応地対地で平行方向に使用することは出来るが、地形の配慮が新たに必要となり、また高度を失うためその威力と速度は数ランク落ちてしまう。
 そして翼を完全に展開する際に大きく隙が生じるという、明かな欠点がある。
 そのため本来は、相手に捕捉される前に発動、一撃必殺をもって加速したまま離脱するという、一撃離脱の極意たる技である。文字通りの諸刃の刃であるため、使用後の負担がかかりすぎ、今回が僅か三度目の使用であった。





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